私は、むし歯ができて来院された患者さんには、いつも質問してみます。

「なんで、むし歯ができたと思いますか?」

そう質問すると、様々な回答が返ってきます。

「お風呂上がりに毎日、スポーツドリンクを飲んでいるんです。」

「つい忙しくて、仕上げ磨きができない時がありました。」

お口の中で実際にむし歯が発生するのは、“”、“細菌”、“食事”の3つの要因が重なった時に起こります。

むし歯ができる、3つの要因

Kayesの3つの輪(Kayes, 1960)

この3つの要因が全て揃わないとむし歯にはならないので、極端なことを言うと、歯をまったく磨かなくても、食べ物を食べていなければむし歯はできません。(決して、そんなことはしないでくださいね。)

また、これらの3つの要因に“時間”の経過が加わり、むし歯を引き起こすとされています。

ポイントは、糖分摂取の“頻度”や“歯の表面との接触時間”

Newbrunの4つの輪(Newbrun, 1978)

例えば、お砂糖の入ったおやつを食べる回数が多いと、むし歯の発生を促してしまいます。

また、甘い物がお口の中に停滞する時間が長いと、むし歯の発生を促してしまいます。

すなわち、“頻度”や“歯の表面との接触時間”が、重要なポイントだということですね。

むし歯ができる、個人的要因

また、現在では、もっと多くの要因がむし歯に関わっていることが明らかにされています。

歯や口腔内の環境だけでなく、個人的な要因を加えたこのような図で、むし歯の成り立ちが説明されています。

むし歯の発生に関与する要因( Fejerskov & Manji, 1990を改変)

内側の水色の部分が、先ほども出てきたようなむし歯の発生に直接関わる要因、真ん中の黄緑色の部分がお口の中の環境要因、そして一番外側のピンク色の部分が個人的な要因です。

なんと、こちらの図では、社会的地位や収入、教育、健康観なども、むし歯の原因になるとされています。

むし歯は予防可能な疾患

私たちがこのホームページを開設したのは、このピンク色の個人的要因にもある、“知識”の部分にアプローチしたいと考えたからです。

むし歯は予防可能な疾患です。

むし歯予防に必要な知識があり、行動が伴えば、むし歯を防ぐことが可能です。

また、人それぞれの生活習慣や環境、職業などもむし歯と関わっていると、日々強く感じます。

なので、例えば私たちがお子さんにお話しする時でも、一方的に伝えるだけでなく、「なぜ、ジュースを毎日飲んでいるのだろうか?」「なぜ、甘い物がやめられないのだろうか?」その理由を一緒に考えます。

そして、新しい一歩を踏み出せるように、私たちは支援していきたいと思っています。

これからも、皆さんのお口の健康を守っていけるような情報を、お届けしていきます。

歯科衛生士 辰巳光世