全国的に新型コロナウイルス感染者数が減少し、奈良県では新たな感染者は4日連続ゼロとの報告がありました。

私は奈良公園の近くの美容室に通っているのですが、数ヶ月前まで人通りがかなり少なかった奈良公園も、最近は観光客で賑わい、活気が戻ってきているようにも感じました。

しかし、新型コロナウイルス感染症が完全に収束した訳ではないので、これからも感染対策には十分な注意が必要です。

今回は、コロナ禍におけるさわやか歯科の取り組みを改めて振り返り、まとめてみることにしました。

さわやか歯科の取り組み

さわやか歯科では、かねてより患者さんごとに行うユニットのラッピングやハンドピースの滅菌など、感染予防策には力を入れてきました。

そのため、患者さんごとの消毒・滅菌に関しては大きな変更点はありませんでした。

新型コロナウイルス感染対策として新しく行った取り組みは以下の通りです。

人との接触機会を減らす

新型コロナウイルス感染が拡大していく中、2020年春以降は患者さんのアポイントの変更やキャンセルが相次ぎました。

一方で、地域の学校が休みになったからと、今まで来院されていなかった方が久しぶりに来院されたりなど、逆に忙しいと思われる日もありました。

緊急事態宣言が発令されてからは、処置の内容を考慮した上で、来院者数を3分の1程度に減らすことになりました。

また、歯科医師を含めたスタッフの勤務体制を週5日勤務から週4日勤務とし、出勤しない日は自宅研修としました。

その後、緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルス感染対策への取り組みを継続しながら、以前の来院者数に戻していくことになりました。

今までのように患者さんは来院されるのだろうかと不安に思いましたが、現在では、より多くの患者さんが、毎日来院されています。

体調確認の徹底

来院される度に、患者さんに検温を行っていただいています。

ご本人のみならず、付き添いの方、同居の家族の健康状態も確認し、発熱や風邪症状等がある場合は、応急処置のみを行ったり、治療をせずにお帰りいただくこともあります。

スタッフ自身も健康管理には十分注意し、毎朝の検温と体調確認を行い、少しでも体調が優れない場合は自宅待機にしています。

感染予防策としては、スタッフ全員、マスクに加え、フェイスシールドの着用を行っています。

換気の実施

空気の循環を行うため、扇風機やサーキュレーターを設置しました。

窓を開け、CO2測定器にて空気中のCO2濃度を計測しながら、常時換気を行っています。

ゾーニング

さわやか歯科には個室のユニットもありますが、待合室やオープンスペースなど、ユニットごとに壁がない場所にはゾーニングを行いました。

人との接触の機会をできるだけ減らすことが目的です。

ポスターの掲示

患者さんに安心して来院していただくため、さわやか歯科の感染対策への取り組みについてのポスターを作成し、院内に掲示しました。

おもちゃや雑誌類の撤去

新型コロナウイルス感染対策のため、共有のおもちゃや雑誌などはすべて撤去しました。

オープンスペース中央のボールプールのボールはすべて回収し、代わりに子どもたちが目で見て楽しめるようにと、プラレールを設置しました。

電車好きの子どもたちに大人気ではありましたが、後にすべてのおもちゃに抗ウイルス・抗菌加工を実施し、ボールプールも元に戻しました。

ボールプールが戻ったオープンスペースは、子どもたちの楽しそうな声でイキイキしているように感じます。

さわやかKitchen

さわやか歯科内のキッチンで行っていた料理教室の開催も、今後のスケジュールはすべて見合わせることになりました。

その代わりに、管理栄養士が色々考えて工夫し、『さわやかKitchenだより』というおたよりを作成して、院内に掲示しました。

また、季節に合わせた料理の作り方の動画を作成し、院内のモニターで流しました。

家庭でも作れるようにと、『さわやかKitchenレシピ』も設置しました。

子どもたちからも好評で、「家で作ってみたい!」「勉強になった!」と、毎月楽しみにされています。

患者さんの変化

患者さんの口腔内の変化

国立成育医療研究センターが実施した『コロナ×こどもアンケート』第4回の調査結果によると、新型コロナウイルス感染症流行前と比較して、子どもたちの外出の頻度や時間、身体を動かして遊ぶことが減少し、スクリーンタイム(テレビやゲーム、スマホを見ている時間)が増加しています。

また、約3割近くの子どもたちの間食の回数が増えています。

さわやか歯科に来院している子どもたちも間食の回数が増えており、それに伴って、今までむし歯ができていなかった子に新たなむし歯ができたり、むし歯が重症化した子も少なくありませんでした。

さわやか歯科では以前から食生活指導には力を入れてきましたが、外出自粛中、「毎日の楽しみが食べることに集中してしまった」「子どもに大人しくしていて欲しいから欲しがるままにおやつを与えていた」という声も多く聞かれました。

今回の新型コロナウイルス感染症において学んだことは、私たち歯科の役割は、どんな時でもむし歯を作らず、歯周病を悪化させず、一生おいしく食べて元気に過ごすことができるようにすることです。

突然、環境や生活習慣の変化があった時でも、自分のお口を自分で守る力を身につけてもらえるよう、歯科衛生士として今後も支援してきたいと思います。

患者さんの心の変化

緊急事態宣言が解除されてからは、徐々に来院される患者さんが増え、久しぶりの再開にお互いの無事を喜び合いました。

歯科診療を不安に思っていた方も、一度来院され、さわやか歯科の感染対策への取り組みを知ってからは、安心して来院されています。

 一方で、感染が怖くてなかなか来られなかったと1年ぶりに来院された患者さん、学校以外への外出は全くしていない患者さん、学校での給食の時間に自宅に昼食を食べに帰っているという患者さんもおられました。

たくさんのことを学んで吸収していく学童期に、様々な経験ができない状況が続くのは、子どもの成長・発達にどのような影響があるのだろうかと、私も気になります。

今後について

今回、新型コロナウイルス感染症のことがあり、改めて歯科の役割について考えるきっかけとなりました。

お口の健康が全身の健康に繋がっていることから、つくづく私たちの仕事が、エッセンシャルワークだということを再認識しました。

また、さわやか歯科には、発達に問題を抱えた子どもたちも多く来院されています。

新型コロナウイルス感染症は人との関わりが問題となりましたが、子どもたちの発達には、人と人との関わりがとても大切です。

さわやか歯科は、子どもたちが、周りの子どもたちの様子を見て模倣し、発達していけるような診療室のつくりになっていますが、今は周りの子どもたちの様子を見てもらうこともできず、正直やりづらいと感じたり、なかなか思うように治療が進まないと感じることも多くありました。

しかし、今のやり方がまた新しい形となり、これからも変化しながら、進化し続けるさわやか歯科でありたいと思っています。

人は人との関わりの中で、成長・発達していきます。

どのような時でも、子どもたちが発達していく居場所作りが、私たちの今後の課題だと思います。

歯科衛生士 辰巳光世