さて、突然ですが、皆さんは毎日朝食を食べていますか?
さわやか歯科では、来院された患者さんに生活習慣の問診票に記入をしていただいているのですが、その一番最初の項目は、生活リズムについての内容です。
そして、多くの患者さんの生活習慣を確認するのですが、朝食を欠食しているケースが多々あります。
それは成人だけでなく、子どもにおいてもです。
そこで今回は、子どもの朝食の欠食とその影響について調べてみました。
子どもの朝食の欠食率
まず、厚生労働省が行った、平成30年国民健康・栄養調査報告によると、朝食の欠食率が一番多い年代は、男性では30~39歳で28.3%、女性では20~29歳で18.9%でした。
さらに子どもにおいては、保育園児、幼稚園児ではともに5.6%、その他の幼児では7.8%、小学校低学年では7.2%、小学校中学年では6.1%、小学校高学年では5.8%、中学生では5.4%と、幼い頃から朝食を欠食しているケースもあることがわかりました。
日本スポーツ振興センターが子どもを対象に行った調査の結果では、朝食欠食の理由として、男女すべての年齢において、「食欲がない」「食べる時間」が圧倒的に多かったのですが、中には、「太りたくない」「朝食が用意されていない」という回答もみられました。
朝食の欠食による影響
では、朝食を摂取しない場合、どのような影響があるのでしょうか。
平成26年に文部科学省が調査を行っています。
朝食の摂取状況と体調に関する調査では、朝食を毎日食べる小学生では、午前中に身体の調子が悪いことが「よくある」「時々ある」と答えた割合は33.8%であったのに対し、朝食を毎日食べない小学生では、午前中に身体の調子が悪いことが「よくある」「時々ある」と答えた割合は64.1%でした。
また、朝食の摂取状況と自己肯定感に関する調査では、朝食を毎日食べる中学生は、自分のことが好きであるかという質問に対し「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と答えた割合は41.7%でしたが、朝食を時々食べる中学生では、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と答えた割合は29.8%、朝食を毎日食べない中学生については24.0%でした。
さらに、朝食を毎日食べる小学生では、なんでもないのにイライラするという質問に対し「よくある」「時々ある」を合わせた割合は23.7%でしたが、朝食を毎日食べない小学生では「よくある」「時々ある」と答えた割合は、55%でした。
上記以外にも、毎日朝食を食べている方が学力が高い、体力がある、などと多数の報告がされています。
毎日朝食を食べましょう!
朝食を欠食する理由の「食べる時間がない」に関しては、塾や習い事により帰宅時間が遅くなったり、生活リズムの乱れにより就寝時間がずれこむことによって、起床時間が遅くなっていることが考えられます。
「食欲がない」に関しては、就寝前の飲食習慣により、お腹が空いていないということも考えられますが、個人的には、すっきりと目覚めることができていない子どもたちが増加していることも、「食欲がない」理由として考えられるのではないかと感じています。
子どもたちが楽しく、イキイキと毎日を過ごすためにも、生活リズムをしっかり整え、朝食をしっかり食べて、元気に一日をスタートして欲しいです。
歯科衛生士 辰巳光世
【参考文献】
1) 厚生労働省. 国民健康・栄養調査. 2018.
2) 日本スポーツ振興センター. 平成22年度児童生徒の食事状況等調査報告書. 2010.
3) 文部科学省. 平成26年度家庭教育の総合的推進に関する調査研究. 2014.

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