今回は、10歳の女の子Aちゃんと会話した内容について、お話しします。
Aちゃんは、むし歯はないものの、少しプラーク(歯垢)が付着していて、歯肉炎の状態でした。私は、
「むし歯だけでなく歯肉炎が進行すると、歯周病になり、将来的に歯を失うことがあるんだよ。」
と伝えると、Aちゃんから、
「入れ歯でもご飯は食べられるのにどうして歯を失ってはいけないの?」
と質問されました。
食事の時の歯の役割って?
そこで、Aちゃんに対し、私はこのように回答しました。
「確かに、入れ歯がしっかりと合っていれば、食事をすることが出来るよ。
でも、入れ歯は、ガムや餅などの粘着質のものや、えのきなどの繊維質のもの、カステラみたいにお口の中の水分を吸収して入れ歯に張り付くもの、リンゴの丸かじりなどの大きいものは食べづらいよ。」
「そんなに食べづらいものがあるの!?知らなかった!」
Aちゃんは驚いた様子でした。さらに私は、続けました。
「まず、食べ物を噛むのに歯は必要だよね。
それでね、歯の根っこの周りには歯根膜っていう膜があって、その膜が歯ざわりや歯ごたえを感じるから、食事を楽しむことが出来るんだよ。」
歯は食事の為だけじゃない!
「そっか。楽しく食べるためには、歯はすごく大切なんだね。でも、歯の役割って食べることだけなの?」
Aちゃんから、さらに質問がありました。
そして私は、
「実は、歯の本数が少なかったり、隙間があると空気が漏れてしゃべりづらくなるよ。
さらに、歯の本数が少なくなると、口角が下がってほうれい線が目立って、頬がたるんだように見えるよ。歯があると表情が豊かになるよ。」

このように説明するとAちゃんは、
「歯は食べるだけじゃないって知らなかった!自分の歯は自分で守れるようにしっかり歯磨きの練習するね。」
と、やる気に満ち溢れた表情になりました。
最後に
歯は食事するためだけに大切ですが、それだけではありません。
歯を守るためには、歯科医院でのプロフェッショナルケアと、自分で行うセルフケアが大切です。
もちろん、自分の歯で好きなものを楽しく食べられるようにしましょう!
また、この先も生き生きとした表情で楽しくお話したり、自分らしく過ごしていけるように、さわやか歯科でみなさんのお手伝いができればと思っています。
そんな診療中のお話でした!
歯科衛生士かぱえる
